3学年防災&進路講話

今日は3学年の「総合的な探究の時間」に「防災&進路講話」を実施しました。

講師はいずれも下諏訪町役場にお勤めの山田英幸さんと中野由紀恵さんのおふたりです。

 

なぜ「防災」と「進路」がセットになっているのか?

それは、講師のおふたりの経歴と現在の仕事に関係があります。

実は、おふたりとも本校の卒業生で、生徒たちの先輩です。

山田さんはもと野球部で、元日に発生した能登半島地震の災害支援に派遣されました。

中野さんはもと弓道部で、町の総務課情報防災係の所属です。

そのおふたりに、それぞれの立場から防災について、そして今の仕事に至る進路選択について、お話をしていただきました。

 

山田さんは、1月11日から16日まで、諏訪地域の災害支援チームの一員として、羽咋市に派遣され、災害廃棄物の集積所で廃棄物受け入れの業務を支援しました。当時20歳の山田さんが「二十歳の集い(成人式)」を終えた2日後に出勤すると、上司に呼ばれ、2日後の派遣を告げられたそうです。現地の情報も不確かな中で、防寒着や非常食の準備に追われての慌ただしい出発から、6泊7日の災害支援の実際の様子、派遣先の羽咋市は高校の修学旅行で訪れた場所だったこと、一緒に派遣されたメンバーのイビキで睡眠不足になったエピソードなど、写真を交えて説明してくださいました。

 

進路については、なぜ公務員を目指したのか、どんな準備をしたのか、さらには、公務員(社会人)に求められる力についても、「あくまで自分自身の考えですが」と前置きしながら、「挑戦する気持ち、考え抜く力、チームで働く力が必要」と、自らの経験をもとにアドバイスをしてくださいました。

 

中野さんは、実際のハザードマップをもとに、向陽高校周辺の災害リスクについて説明してくださいました。学校の敷地周辺は急傾斜地の特別警戒区域が多く、土石流の警戒区域に含まれているため、雨がたくさん降ったら要注意で、避難行動を準備するべき、ということを教えていただきました。

 

 

後半は、これまでの自身の人生の中で「進路選択」をしてきたことについて話をしてくださいました。高校卒業時の「選択」では、具体的な職業の志望が定まっていなかったため、より大きな視点で社会のことを学べる経済学部法学科を選んだこと。就職の「選択」では、地方自治体と海上自衛隊という2つの内定を前に、「そこでしかできない経験」という視点で海上自衛隊を選んだこと。そして、結婚・出産を経て、自衛隊員は自分以外にもいるが、子供の母親は自分しかいないということに気づき、転職という「選択」をしたこと。

3年生のこの時期は、まだ進路選択に悩んでいる生徒も多いので、大変示唆に富む講話となりました。高校の先輩ということで、身近な例として、防災の話も含めて生徒たちには参考になったことでしょう。講師のおふたりに感謝です。